宝達志水町の地域農産品「イチジク」栽培に出会い、果樹園主に
内海 健太さん
Iターン(大阪府出身)
◎脱サラし、果樹農園主に転身。 主にイチジクを栽培。
◎就農当初は「地域おこし協力隊」としてスタート。3年の満期を待たずに独立。
◎今後は、生のイチジク出荷以外の新たな展開にもチャレンジ計画中。
◇脱サラし、30代で農家を目指すまでの道のり
宝達志水町への移住前、内海さんは名古屋で物流倉庫業の会社に勤務していました。担当業務はコンテナ船舶の入出港管理、及び作業の手配とプラン作成。待遇に特に不満はありませんでしたが、35歳という年齢が体力的に行動を起こすラストチャンスと考え、昔から憧れていた田舎暮らしを始めたいという気持ちが強くなりました。
移住先探しのスタート。最終的な着地点となる宝達志水町を知る前、愛媛県などにも行きました。そこで「農業をやるなら、いろんな所を見たほうがいいよ」とアドバイスを貰いました。

◇農家として自活するため、何の作物栽培を選択するか?
宝達志水町に決めた理由は、農業チャレンジへの支援がしっかりしていたから。内海さんが町を訪ねる数年前から、町では農業振興の一環として農業ミッションの「地域おこし地域」を複数名採用し、若手の農業者育成に力を入れ始めていました。地域おこし協力隊は、内閣府による全国的な制度。役場で「こういうのもあるよ」と示され、初めて制度を知りました。地域おこし協力隊になれば、3年間の当面の収入を確保できます。
さて、何を作る農家になるか? 当初は収益性からブドウ栽培を候補に考えました。が、すでに町内で先にブドウに取り組み始めた地域おこし協力隊員が2人いました。
そんな中、役場から、「イチジクのブランド化を進めたい」という課題を耳にします。イチジクは宝達志水町の地域特産品。地元の「いちじく部会」に挨拶に行きました。また、イチジクとの複合経営を考え、米の生産者の方にもお世話になりました。
その後、「高齢化でもう辞めたい」と言っているイチジク農家さんがおられる、と、協力隊の先住隊員経由で耳にしました。いちじく部会のメンバーは確かに高齢者が多かったのです。その果樹と園地を引き継ぐ方向で、イチジク栽培を学んでいきました。

◇協力隊の卒隊を前倒し、農家としていよいよ独立
協力隊は、3年間の任期満了まで3ヵ月を残し、2025年7月に卒隊しました。理由は、翌月8月からイチジク栽培最繁忙期の収穫期に入るため。収穫作業に注力することを選びました。同月の8月には、自身の農場「うみけんファーム」を立ち上げます。
結果的には売上は、2025年の天候不順により正直イマイチ。だから、新規就農者への補助金(年間150万円)は非常に助かっています。

◇今後の新たなチャレンジ展開も検討中
現在おもに栽培しているイチジクは、オーソドックスな品種の「桝井ドーフィン」や、黒イチジクの「黒蜜姫」、夏前に収穫できる「ザ・キング」など。
独立して初めての収穫期となった2025年には、収穫の手伝いを、以前からのアルバイトの方の他に、移住者の方数名にもお願いしました。毎年、夏の収穫を手伝ってくれる人を、冬のうちからもう探し始めています。さほどの力仕事でもなく、早朝5時に作業を始め、朝8時には作業を終えられます。そのため去年は、隣県の富山県の高岡から手伝いに来て、そのまま自身の仕事に出勤するスケジュールで来てくれた人もいました。
栽培を安定させたら、ドライフルーツなどの加工品の展開を考え中。ただ、加工場を作る必要があるので足踏みしているところ。
まずは、現在は生で出荷しているイチジクの安定生産を目指しています。

◇地域に溶け込むため、住まいは一軒家を選んだ
現在の住まいは、協力隊の3年間のあいだに買った戸建ての家。町内に移り住んだ当初、家賃の費用面だけを考えればアパートなどに単身で住まうほうが抑えられそうではありつつ、地域にいかに溶け込むかを考えて、借家を借りることを選びました。1年間借りた家を、そのまま購入することができました。購入決断のきっかけには2024年の能登半島地震も関係しています。地震を経て、住まいの補助金に変更があると聞いたのです。補助要件が変わってしまう前に、と動きました。

◇移住後に出来た町内のつながり。移住者さんも先住者さんも
独立に当たり、名刺を作りました。そのデザインは、自分と同様に宝達志水町に移住してきた移住者仲間にお願いしました。イチジクのイラスト入りのPOPな名刺兼ブランドカードが出来上がりました。
町内に2025年秋に新しくオープンしたコミュニティカフェ「WA(わ)」を通しても、いろんな移住者さんとの繋がりが広がっています。一方、一住民として、また新米農業者として、もちろん町の古くからの住民の皆さんにも助けられています。町内の様々な人たちとの繋がりが広がっています。■
うみけんファーム
Instagram:@umiken_farm
『うみけんファーム』能登の方のイチジク農家
https://www.instagram.com/umiken_farm/
宝達志水町は小さな町だけれど、そんな中でも新しい展開が色々生まれています。
可能性はまだまだあるので、移住を考えている人は
ぜひ一度、宝達志水町の様子を直に見に、訪ねてみては?
移住者さんのお話を直接聞いてみたい、という方も、お待ちしています。
